【10月2日 AFP】中国当局は1日、国内で製造販売された粉ミルク製品の一斉検査を行った結果、12%近くの製品にメラミンの混入が確認されたと発表した。また同日、日本の総合商社兼松(Kanematsu)は、中国から輸入した冷凍菓子「マカオエッグタルト」から有害物質のメラミンが検出されたことを明らかにした。

 国家品質監督検験検疫総局(General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)によると、粉ミルク市場の約70%に当たる154社265製品を対象に行った全国検査では、全体の11.7%にあたる20社31製品からメラミンが検出された。いずれも9月14日以前に製造されたもので、14日以降の製品は安全だと強調している。

 胡錦濤(Hu Jintao)国家主席は同日、建国記念日の演説で、汚染粉ミルク問題が中国の評判を傷つけたと指摘。中国企業は、この問題から学ばねばならないと語った。

 中国製乳製品のメラミン汚染問題では、これまでに中国国内で乳幼児5万3000人が健康被害を訴え、4人が死亡している。

■国内で新たにメラミン検出、止まらぬ被害拡大

 一方、兼松の1日の発表によると、同社が中国から輸入した冷凍菓子「マカオエッグタルト」から有害物質のメラミンが検出された。含有量は1個当たり1.4ppmと微量で、これまでに健康被害の報告はないが、同社は販売した全製品の回収を決定した。共同(Kyodo)通信によるとすでに289セットが販売されたという。

 またオーストラリアでは同日、ロッテ(Lotte)「コアラのマーチ」にメラミンが混入している恐れがあるとして、販売が中止された。メラミン汚染で製品が回収されるのは同国で3例目となる。

 香港(Hong Kong)でも新たに中国製のロッテ「クリームチーズケーキ」からメラミンが検出されたほか、ベルギー当局も同国内で販売されていた「大白兎(White Rabbit)」ブランドのミルクあめから1キロあたり11.24ミリグラムのメラミンを検出したと発表した。(c)AFP