【9月26日 AFP】(一部更新)中国製の乳製品から有害物質メラミンが相次いで検出された問題で、欧州委員会(European Commission)は25日、一部の中国製食品の輸入禁止などを含む予防対策を導入することを決めた。26日から適用する。

 欧州連合(EU)は以前から中国製の牛乳やヨーグルトなどの乳製品については輸入を禁じているが、欧州委は乳製品を含む他の食品についても、消費者に対してもっと注意を促す必要があると説明した。

 欧州委によると「100%の安全性」を確立し、「そのような製品がいかなる形でも輸入されないよう確実にする」ため、「中国で生産された、乳製品をわずかでも含む乳幼児向けの食品すべてを明確かつ完全に禁止する」。また、一般向け製品でも乳分を15%以上含む全中国製品については、市場に流通する前に抜き打ち検査で安全を確認する案も検討しているという。

 プラスチックの製造に用いられるメラミンは、牛乳に加えるとタンパク質の含有量を豊富に見せかけることができる。これについて、国連児童基金(UNICEF)の中国・北京(Beijing)の報道官は、「牛乳を薄めようとする牛乳生産者による消費者への詐欺行為に思える」と述べている。

■各国で広がる輸入禁止措置

 インドとリビアは25日、中国からの乳製品の輸入を禁止した。一方、ガボンは汚染された粉ミルク数万トンの返品を発表。トーゴ、ベニン、スリナムの各国も輸入を中止し、中国製の菓子が店頭から撤去された。

 これまでに輸入禁止など、メラミン汚染食品の消費を防止する措置を取ったのは十数か国に上る。ただ、中国国外で実際に健康被害が報告されたのは、香港(Hong Kong)での5例のみにとどまっている。

■ミルクあめ、国内販売を中止

 一方、シンガポールでメラミンが検出された「大白兎(White Rabbit)」ブランドのミルクあめを製造販売する食品会社、冠生園(Guanshengyuan)は26日、中国国内での同製品の販売を一時中止すると発表した。当局の調査を経て、安全が確認された後に再開するとしている。(c)AFP