【9月19日 AFP】今年で175回目を迎える世界最大規模のビールの祭典「オクトーバーフェスト(Oktoberfest)」が20日に、ドイツ南部バイエルン(Bavaria)州ミュンヘン(Munich)で開幕する。歴史ある祭典だが、喫煙を楽しむことができるのは、今年が最後になりそうだ。

 ドイツは大人3人のうち1人が喫煙者という喫煙大国だが、全16州の最後の1州が7月1日から大部分の公共の場所での喫煙を禁止し、全国で禁煙が進んでいる。

 しかし禁煙法は根強い反発を買い、いたる所でレストランやバーが喫煙許可を求め裁判を起こしている。

 抜け穴もあり、毎年世界中から600万人が訪れ、600万リットルのビールが消費されるオクトーバーフェストもそのひとつ。バイエルン州の首相が、会場内に警官を配置して喫煙を止めさせることはないと公言しているためだ。

 しかし来年には禁煙が実施される。今年も喫煙は事実上認められているものの、去年までは会場にいたタバコを売り歩く女性はもういない。

 会場には15のテントが設営されるが、禁煙になれば、喫煙のために一度テントを出た人がテント内に戻るには、また列に並ばなければならない。

 長い歴史を誇るオクトーバーフェストには、禁煙以外にも変化が起こっている。2007年は環境保護を考え、太陽電池パネルと省エネ電球を導入。使い捨ての皿やコップを使用禁止としたのだ。

■オクトーバーフェストの歴史

 オクトーバーフェストの原点は、当時のバイエルン王ルートヴィヒ1世(King Ludwig I)の結婚を祝うため、1810年10月12日から6日間にわたって行われたお祭り。競馬なども行われ、人々がとても楽しんだため、毎年開かれるようになった。

 コレラの流行や戦争が原因で、24回だけ中止されている。天候を考慮して9月に開幕するようになったのは近年だ。

 今年は10月5日まで行われる。主催者によれば、ビール1リットルの値段は7.8-8.3ユーロ(1200円前後)だという。(c)AFP