【8月28日 AFP】自動車に乗る際、シートヒーターで暖められた座席に座るのが好きな男性諸氏は気をつけた方がいい――。もしかすると父親になれない可能性がある。29日の英科学誌「ニュー・サイエンティスト(New Scientist)」の最新号で、このような研究結果が発表される。

 精子の生産能力は、陰嚢(いんのう)部の温度が中核体温(37度)から2、3度低い温度の時が最も高まるとされているが、独ギーセン大学(University of Giessen)のAndreas Jung氏らは、暖められた座席と陰嚢部の温度の関連性について実験を行った。

 被験者の男性30人の睾丸にセンサーを取り付け、シートヒーターで暖められた座席に90分間座ってもらった。すると、1時間後には陰嚢部の温度の平均は37.3度にまで上昇。39.7度まで上昇した被験者もいた。一方、暖められていない普通の座席に座っていた被験者の場合、平均温度は36.7度にとどまった。

 実験では精子の数や動きに関する検証は行われていないが、研究者らは、わずかな温度の上昇でも精子の生産能力に影響が出るとしている。

 過去の研究では、普通の座席に座っていたとしても、3時間以上座っていた場合は、男性の生殖能力を損なう可能性があると指摘されている。

 研究結果の全文は、専門誌「Fertility and Sterility」で発表される。(c)AFP