【7月30日 AFP】国連合同エイズ計画(Joint United Nations Programme on HIV/AIDSUNAIDS)が29日に発表した報告書によると、27年間にわたって2500万人以上の命を奪ってきたエイズ(AIDS)の世界的流行は、ここにきて安定している。一方で、この状態を維持しエイズの脅威を縮小させるためには、潤沢な資金や予防分野での進展が必要だとしている。

 2007年のエイズ関連疾病での死者数は約200万人と2年連続で減少しており、2005年に比べると約20万人も減少している。これは主に、免疫細胞を破壊するエイズウイルス(HIV、ヒト免疫不全ウイルス)を抑制する薬が広く普及したことによるものだという。

 07年のHIV感染者数は約3300万人で、新たに感染したのは約270万人だという。

 全体的にみて、世界の人口におけるHIV感染者の割合は00年に0.8%となって以来、ほぼ横ばいの状態が続いているという。だが、HIV感染者数自体は増加し続けており、さらなる感染の危険性や対策の必要性は依然として存在している。

 8月3日からは、メキシコの首都メキシコ市(Mexico City)で、第17回国際エイズ会議(International AIDS Conference)が開催される。(c)AFP/Richard Ingham