【7月20日 AFP】バーで飲み過ぎたらDJに文句を――バーで流れる大音量の音楽に、飲酒の量とスピードを増大させる効果があるという研究が、18日に発表された。

 南ブルターニュ大学のニコラ・ゲゲン(Nicolas Gueguen)教授は「速いテンポの音楽に飲酒のピッチを上げる効果があることや、音楽のかかっていないバーよりも音楽がかかっているバーの方が客の滞在時間が長いということは、先行研究によって明らかにされていた」と説明する。「今回の研究は大音量の音楽がアルコールの消費に与える影響を現実環境における実験的な手法によって明らかにした初めての例だ」

 ゲゲン教授ら研究チームのメンバーは、土曜日の夜に限定して3回にわたって、音量を調節する許可がおりた2か所のバーを訪問。生ビールを注文した18-25歳の客から無作為に男性40人を抽出し、様々な音量における飲酒量を観察した。

 論文では、大音量の音楽が飲酒の量とスピードを増やす理由について、2つの仮説が示されている。

「第1の仮説は、音楽と食事や飲み物についての先行研究と一致する仮説で、大音量は覚醒効果をもたらす可能性があり、そのために被験者の飲酒スピードと量が増えたという考え方だ。第2の仮説は、大音量の音楽によって、人々の交流が阻害されたというもの。客は、会話の時間が減った分、酒を飲む量が増えたというものだ」(ゲゲン教授)

 研究論文は、「Alcoholism: Clinical & Experimental Research」10月号に掲載される。(c)AFP