【7月10日 AFP】70代前半の男女は、30-40年前の同年代よりもセックスの回数が多く、セックスを楽しんでもいる。この傾向は女性の方で特に強い――。このようなスウェーデンの大学の調査結果が9日の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)に発表された。

 若い世代の性に関する本はこの世にあふれているものの、70代以上の健康な男女の夜の営みについては、これまでほとんど知られてこなかった。それどころか、この年代の性に関する調査では「セックスがうまくいかない」といった事例ばかりが注目される傾向にあり、高齢者のセックスには暗いイメージ、または高齢者はセックスをしないというイメージがつきまとっていた。

 だが、イエーテボリ大学(University of Gothenburg)の博士課程のニルス・ベックマン(Nils Beckman)氏らが実施した調査は、そうしたイメージを覆すものとなった。

 ベックマン氏らは、70歳のスウェーデン人を対象にしたセックスに関する聞き取り調査の結果を、1972、1977、1993、2001年で比較した。

 すると、2001年の調査で「セックスをしている」と答えた既婚女性は、1972年の調査時よりも約2倍も多く、「(セックス時には)たいていオーガズムに達する」と答えた女性も大幅に増加していることが分かった。

 未婚女性では、「セックスはしたことがない」という回答は40年前は10%程度だったが、2001年の調査では0.4%に下がった。

 また、男性では、2001年の調査で「セックスは楽しい」と答えた人は、それ以前の調査と比較して増加したものの、「セックスで満足が得られない」との回答も増加した。これは、性の悩みが以前よりもおおっぴらに語られるようになったという文化的背景が影響しているとみられる。

 カナダ・オタワ大学(University of Ottawa)のPeggy Kleinplatz教授は、今回の調査結果について、1965-75年の性革命が70代の性の意識変化に寄与していると分析している。(c)AFP