【6月27日 AFP】米ニューヨーク(New York)市の保健当局は全米HIV検査デー(National HIV Testing Day)の26日、市内で最もHIV感染者の多いマンハッタン(Manhattan)ブロンクス(Bronx)区の全成人を対象にエイズウイルス(HIV)感染の検査を実施する計画を明らかにした。

 ブロンクスの病院、診療所、ヘルスセンター、宗教施設など40か所で、全訪問者に対し体系的にHIV感染検査を行うというもので、ニューヨークでは過去最大規模の検診制度となる。

 市当局は、ブロンクス住民の約30%にあたる25万人がHIV感染テストを1度も受診したことがないとみており、今後3年間でブロンクスの18歳から64歳までの全住民の感染検査を完了させたい考えだ。

 検査時間は10分から20分程度。複数の地域団体が検査に協力する。

 2006年にニューヨークで新たにHIV陽性と判明した3745人のうち、25%がブロンクススの住民だった。ブロンクスのエイズ患者の25%は、発症して初めて自身のHIV感染を知る事例が多いという。一方、州内で最も人口の多いマンハッタン区はブロンクスよりHIV感染者は多いがエイズによる死者は少ない。

 ニューヨークの保健当局が前週発表した調査結果によると、複数のパートナーと性的関係があるニューヨーク住民ののうち、コンドームを使用しているのは60%に過ぎなかった。(c)AFP