【6月16日 AFP】象皮病で両脚が通常の3倍近くも肥大し、「普通の人生」をあきらめていた24歳の中国人女性が16日、台湾でリンパ組織を切除する手術を受けることになり希望を取り戻している。

 中国江蘇(Jiangsu)省徐州(Xuzhou)在住のワン・チェン(Wang Cheng)さん(24)は6歳で象皮病を発症し、両脚が奇妙な形状に肥大した。重さは50キロにも達する。ワンさんは上海(Shanghai)、北京(Beijing)、南京(Nanjing)など中国国内の主要な病院を訪れ診察を受けたが、どの病院でも治療方法はないと言われたという。

 象皮病のため、ワンさんは就職はおろかズボンを履くこともままならず、心臓病の父親と失業中の母親と家に閉じこもる生活を送っていた。

 そんなワンさんに2007年、AFPを通じてワンさんの写真を目にした台湾の仏教宗派「仏光山(Fo Kuang Shan)」が、台湾の専門医による無料手術を申し出た。1万6500ドル(約178万円)相当の手術費用は病院が、医療費外の雑費と渡航費は仏光山が持つ。

 象皮病はリンパ水腫の一種で、皮下組織が肥厚し皮膚が象皮状となる病気。蚊が媒介するフィラリアによって感染することが多いが、ワンさんの発症原因は異なるとみられている。

 ワンさんの手術を担当するシュー・ウェンシェン(Hsu Wen-hsien)医師は、30年間の医師経験を持ち、象皮病の手術37件で成功しているが、ワンさんほど巨大な脚部浮腫の症例は見たことがなく、原因もわからないと述べている。

 シュー医師によると、ワンさんの両足の浮腫はリンパ組織の一部切除で35%、術後のリハビリで50%軽減できるという。手術時間は10時間前後になるとみられている。(c)AFP