【6月4日 AFP】北朝鮮の中国国境沿いに位置する複数の地域で、正体不明の病気が広まっており、子ども数十人が死亡していると韓国の援助グループが3日、報告した。

 北朝鮮への人道支援を行っている韓国ソウル(Seoul)に拠点を置くNGO「良い友人(Good Friends)」によると、中国国境に近い北東部の会寧(フェリョン、Hoeryong)市では4月27日以降、発熱、せき、のどの痛み、食欲減退などインフルエンザのような症状を呈する病気により毎日5-6人の子どもが亡くなっており、伝染性の高い疾病への警戒が高まっているという。

 同グループによれば、北朝鮮の保健当局はこれまで感染を阻止できておらず、また正確な診断法や治療法も分かっていないという。北朝鮮の医療関係者は、鳥インフルエンザあるいは先ごろ中国の子どもたちに流行した手足口病の可能性を疑っているという。

「良い友人」によれば、ある北朝鮮の医師は「鳥インフルエンザが広がっている」と述べたという。また別の医師は、この病気は主に国営の幼稚園などで広がり、成人の感染例はなく、中国から入ってきた可能性があると述べたという。

 北朝鮮は鳥インフルエンザの予防に全力を挙げて取り組んでいる。韓国では今年4月1日にも鳥インフルエンザが発生したが、北朝鮮では21万羽の家禽を処分した2005年以来、鳥インフルエンザの発生は報告されていない。また北朝鮮は世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が提供した予防プログラムを積極的に実施している。(c)AFP