【6月2日 AFP】中国伝統医学の鍼灸治療が頭部や頸部のがん手術後の痛みを大幅に軽減させるとした臨床研究結果が5月31日、米国臨床腫瘍学会(American Society for Clinical Oncology)で発表された。口、鼻、喉、鼻腔、咽喉などのがん手術後にみられる肩部の動きの低下の改善についても、鍼灸治療は有効だったという。

 この臨床研究はニューヨーク(New York)のスローン・ケタリング記念癌センター(Memorial Sloan-Kettering Cancer CenterMSKCC)が行ったもの。

 手術あるいは放射線治療から3か月以上を経過したがん患者70人のうち、半数に鍼灸治療を行い、残りの半数には化学療法に加え抗炎症薬を投与する通常の治療を行った。

 その結果、4週間で4回の鍼灸治療を受けた患者グループの39%で痛みが軽減し肩部の動きも改善した。一方、通常治療を行ったグループでこうした改善がみられたのは7%に過ぎなかったという。

 MSKCCのバリー・キャサレス(Barrie Cassileth)所長は「鍼灸治療が全ての人に有効だとは言わないが、多くの人にとって大きな救いになるはずだ」と期待感を示した。(c)AFP