【4月23日 AFP】オーストラリアのクイーンズランド(Queensland)州の病院で、猛毒のセアカゴケグモが侵入し、患者と病院スタッフら全員が退去するという騒動が起こった。AP通信(Associated Press)などが23日報じた。

 豪AP通信によると、毒グモが侵入したのはクイーンズランド州Banana ShireにあるBaralaba病院。危険性を考慮し、患者と病院スタッフ全員を退去させ、一時的に病院を閉鎖した。今までに様々な手段を講じたもののクモを駆除できなかったため、全員を退去させて燻蒸(くんじょう)殺虫を行うことを決めたという。

 セアカグケグモは、全体的に黒く、背に赤色の帯状の模様で、体長は2-4センチ。クロゴケグモと同じゴケグモ類で、オーストラリア全域で見られる。致死性の毒を持っており、かまれると激しい痛みと筋肉のけいれんに襲われることもある。しかし1950年代に抗毒素が導入されてから、死亡者はでていない。

 クイーンズランド州の地方看護当局者は、「雨が多く、湿度の高い最近の天候に刺激されてクモが病院に住みついてしまった。Baralaba病院では5か月前からセアカゴケグモを追い出そうと奮闘していた。非常に危険なので、院内にセアカゴケグモを放置しておくわけにはいかない」と述べた。(c)AFP