【3月11日 AFP】大豆食品を定期的に食べている女性は乳がんにかかるリスクが低いとする研究が7日、米科学雑誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)」に発表された。

 国立がんセンターが政府の出資により行ったこの研究によると、大豆などに含まれるイソフラボン化合物「ゲニステイン」の血中濃度が高い女性は低い女性より乳がんの発症率が低いという。

 研究では全国の40-69歳の女性約2万5000人を平均10年半にわたり追跡調査した。乳がんを発症した女性144人と発症していない女性288人の血液サンプルを比較し、ゲニステイン濃度と乳がん発症リスクの関連性を調査した。

 その結果、ゲニステイン濃度が最も高かったグループの乳がん発症リスクは、濃度が最も低かったグループの3分の1だったことが分かった。最も高かったグループの1日当たりのゲニステイン摂取量は、豆腐100グラムまたは納豆50グラムに相当する分量だった。

 なお同研究では、サプリメントなどによりゲニステインその他のイソフラボン化合物を過剰に摂取すると、乳がんリスクが高まる可能性があることも分かっている。

 研究チームの岩崎基(Motoki Iwasaki)国立がんセンター室長は、研究結果は通常の食事時のイソフラボンの摂取に限ったものであるため、食事の際の摂取には問題ないとしている。

 最近の別の研究では、大豆製品を中心にした食事をしている高齢女性は心臓病のリスクが低いとの結果が出ている。

 一方、英国では、アスピリンのような製薬を定期的に摂取すると、乳がんの発症リスクが大幅に下がる可能性があるとの研究が発表されている。(c)AFP