【1月30日 AFP】カーニバル期間中に女性に緊急避妊薬を配布するとしていたブラジル北部のレシフェ(Recife)市に対し、地元のカトリック教会が「セックスを助長するとともに中絶を施すようなもの」として28日に配布中止を求め告発していた問題で、検察当局は29日、「(薬に)中絶作用はなくセックスを奨励するものでもない」として告発を却下した。

 これに先立って、Jose Gomes Temporao保健相は27日、「レシフェ市の判断は正しい」と断言。「緊急避妊薬は医師の指導のもとで使用される。これは公衆衛生の問題であり、宗教とは無関係」と語り、教会が国の公衆衛生政策に干渉して若者を洗脳しようとしていると非難していた。

 検察当局の判断を受けて市当局は予定通り、保健所や臨時に設置される健康相談所で緊急避妊薬を配布する。「性暴力の被害者や避妊に失敗した女性の性および生殖の権利を保障する」のが目的だという。

 地元紙によると、告発したJose Cardoso Sobrinho大司教は、緊急避妊薬を服用した信者は破門すると公言しているという。 

 レシフェは、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)、サルバドル(Salvador)とともに、ブラジル3大カーニバルの聖地。今年のカーニバルは、2月1日から5日まで開催される。(c)AFP