【1月29日 AFP】授乳期のマウスを研究したフランスの科学者チームが、授乳が子どものぜんそく防止に寄与するか否かの議論に重要な証拠を与える発見をしたと、27日の英医学誌ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)の電子版に発表した。

 フランス国立衛生医学研究所(National Institute for Health and Medical ResearchINSERM)の研究チームは、授乳期のマウスを、卵白に含まれ、ぜんそくを誘発する物質として知られるオボアルブミンを含む大気にさらした。

 すると、母マウスは授乳を通じて子マウスにオボアルブミンを伝達、これが子マウスがぜんそくに対する免疫寛容を形成するのに寄与することが分かったという。免疫寛容は母乳に含まれる重要な信号伝達タンパク質、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF beta)により誘発されるという。

 ぜんそくは世界中で3億人が影響を受けている悪化傾向にある健康問題。原因は複雑だが、幼少期にたばこの煙、花粉、ダニなどのアレルギー誘発物質にさらされることが一因とみられている。(c)AFP