スハルト氏の意識回復も、予断許さぬ状態
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【1月16日 AFP】ジャカルタ(Jakarta)市内で入院中のスハルト(Suharto)元インドネシア大統領(86)の容体について医師団は16日、意識が回復したと発表した。しかし依然、予断を許さない不安定な状態だという。
スハルト氏の容体は前週、多臓器不全で入院して以来、危険な状態が続いていたが、医師団は同日、呼吸器を外し始めたと述べた。ただし全身の健康状態は不安定なままだという。
多数の専門家を集めた特別医師団を率いるMardjo Soebiandono医師は記者会見で「弱ってはいるが、今朝は完全に意識があった」と述べた。気分をたずねると「良いです」と答えたという。
しかし、読み上げた医師団の声明の中では「心肺機能は依然、不安定で、肺の中にはまだ水がたまっており、全身に感染症の兆候がみられる」と危険な状態であるとの見方を示した。また輸血も継続しているという。医師団の1人、Haryanto Reksodipur医師は、感染症から導かれる敗血症についても依然、懸念されるとした上で、しかし「明らかに回復はみられている」と述べた。
ラジオ局エルシンタ(ElShinta)の取材に答えた別の医師は、心臓や腎臓の状態から判断し、徐々に呼吸器を外し始めた過程について説明した。
感染症が進む中、スハルト氏の容体は前日早くに悪化し、医師団は薬剤の投与量を最高に引き上げていた。透析も受けており、医師団が肺から水を除去する間は沈静状態にされていた。
スハルト氏の後を継ぎ大統領に就任して以来、同氏との関係悪化が伝えられていたハビビ(B.J. Habibie)元大統領は14日夜、ドイツから戻り入院先を見舞ったが、医師らによる集中治療中で面会が許されず、隣室で回復を祈るしかなかったと報道陣に語った。
4日の入院以降、シンガポールのリー・クアンユー(Lee Kuan Yew)元首相やマレーシアのモハマド・マハティール(Mahathir Mohamad)前首相なども見舞いに訪れている。
一方、東ジャワ(East Java)州では学生数十人がスハルト氏の裁判中止に抗議しデモを行った。参加者の1人は「スハルトの回復を願っている。しかし、それは在任中の不正蓄財を特別法廷で問いたいからだ」と述べた。
スハルト時代の閣僚の1人、スドモ(Sudomo)氏は病院でスハルト氏を見舞った後、政府は「病床にある人物を許すか否か決定しなければならない」と述べた。(c)AFP/Nabiha Shahab
スハルト氏の容体は前週、多臓器不全で入院して以来、危険な状態が続いていたが、医師団は同日、呼吸器を外し始めたと述べた。ただし全身の健康状態は不安定なままだという。
多数の専門家を集めた特別医師団を率いるMardjo Soebiandono医師は記者会見で「弱ってはいるが、今朝は完全に意識があった」と述べた。気分をたずねると「良いです」と答えたという。
しかし、読み上げた医師団の声明の中では「心肺機能は依然、不安定で、肺の中にはまだ水がたまっており、全身に感染症の兆候がみられる」と危険な状態であるとの見方を示した。また輸血も継続しているという。医師団の1人、Haryanto Reksodipur医師は、感染症から導かれる敗血症についても依然、懸念されるとした上で、しかし「明らかに回復はみられている」と述べた。
ラジオ局エルシンタ(ElShinta)の取材に答えた別の医師は、心臓や腎臓の状態から判断し、徐々に呼吸器を外し始めた過程について説明した。
感染症が進む中、スハルト氏の容体は前日早くに悪化し、医師団は薬剤の投与量を最高に引き上げていた。透析も受けており、医師団が肺から水を除去する間は沈静状態にされていた。
スハルト氏の後を継ぎ大統領に就任して以来、同氏との関係悪化が伝えられていたハビビ(B.J. Habibie)元大統領は14日夜、ドイツから戻り入院先を見舞ったが、医師らによる集中治療中で面会が許されず、隣室で回復を祈るしかなかったと報道陣に語った。
4日の入院以降、シンガポールのリー・クアンユー(Lee Kuan Yew)元首相やマレーシアのモハマド・マハティール(Mahathir Mohamad)前首相なども見舞いに訪れている。
一方、東ジャワ(East Java)州では学生数十人がスハルト氏の裁判中止に抗議しデモを行った。参加者の1人は「スハルトの回復を願っている。しかし、それは在任中の不正蓄財を特別法廷で問いたいからだ」と述べた。
スハルト時代の閣僚の1人、スドモ(Sudomo)氏は病院でスハルト氏を見舞った後、政府は「病床にある人物を許すか否か決定しなければならない」と述べた。(c)AFP/Nabiha Shahab