【1月15日 AFP】終末期患者に未承認薬を使用する憲法上の権利があるかどうかが争われていた裁判で、米連邦最高裁は14日、原告側の訴えを却下した。

 訴訟では未承認薬の利用普及を目指す非営利組織のアビゲイル・アライアンス(Abigail Alliance for Better Access to Developmental Drugs)が原告となり、米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)が患者の法的権利侵害で訴えられていた。

 最高裁が上告請求を却下するときの通例として、判事9人による判決理由の説明はなかった。

 これにより、ワシントンD.C.(Washington D.C.)の連邦高裁が8月に言い渡した判決が確定することになる。高裁判決は所定の臨床試験手続きを経ていない医薬品利用を認めないFDAの方針を支持。「終末期患者が必死に治療法を探し求めていても、治療効果が実証されておらず毒にもなり得る薬を使えば死期が早まる恐れもある」と指摘していた。

 2001年にアビゲイル・アライアンスを共同創設したスティーブン・ウォーカー(Steven Walker)氏は最高裁に対し、不治の病に苦しむ患者のために「選挙で選ばれていないFDAの保身官僚」たちの不正を法的に正すよう求めていた。(c)AFP