【1月2日 AFP】(1月3日 写真追加)フランスで1日、バーやレストランを対象とする禁煙スペースの拡大が実施された。バーの経営者は灰皿を撤去、愛煙家は路上で喫煙することを余儀なくされ、これで公共の場は完全な禁煙スペースとなった。

 これは、欧州で喫煙者の最後の砦であったフランスの喫煙文化が今後大きく変化していくことを示している。首都パリでは特に、カフェでの社交とたばこは昔から切っても切れない関係だった。

「コーヒーを飲みながら、たばこを吸うという楽しい時間が永遠に失われた」と、カフェの外でたばこを吹かしながら語るのは愛煙家のBrigitte Cabouletさん。

 寒い屋外でたばこに火をつける多くの愛煙家と同様、Cabouletさんはお気に入りのカフェで二度と喫煙できない事実を甘んじて受け入れると述べつつも、「フランス人はこのまま、どんどん米国人化していくのよ。香水を使えなくなる日もいずれ来るんじゃない」と皮肉混じりに語った。

 不満の声がある一方で、世論調査は今回の禁煙スペースの拡大が幅広い支持を得ていることを示している。同国では昨年2月からすでに、企業などの職場や店舗をはじめとする公共の場での喫煙が禁じられている。

 今後は、公共の場でたばこに火をつければ最高450ユーロ(約7万4000円)の罰金が科せられ、施設の責任者にも最高750ユーロ(約12万4000円)の罰金が科せられる。(c)AFP/Carole Landry