【12月10日 AFP】世界の5歳未満の乳幼児の死亡数が、2006年に初めて1000万人を下回ったとする報告書を、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が10日、発表した。

 ユニセフは、死亡率の減少は保健医療の向上によるところが大きいとしている。例えば、1990-2004年には「安全な飲料水を確保できる人」が12億人以上にのぼり、1996-2000年の「子どもを母乳で育てる割合」はサハラ以南のアフリカ7か国で20%も増加するなど、発展途上国で著しい改善が見られた。

 また、マラリア対策として殺虫剤を練り込んだ蚊帳の使用が推奨されたこと、エイズ(AIDS)の母子感染防止用に抗レトロウイルス薬が積極的に導入されたことも、死亡率の減少に貢献したとしている。

 一方で、妊娠や出産に伴う合併症で死亡する女性が現在も毎年50万人以上(うち半数がサハラ以南)にのぼり、不衛生な水が原因の下痢など基本的な公衆衛生の欠如により毎年150万人の子どもが死亡するなど、課題は多い。

 ユニセフのアン・ベネマン(Ann Veneman)事務局長は、「死亡率には目覚ましい減少が見られたものの、やるべきことはまだたくさん残されている」としている。(c)AFP