【11月20日 AFP】国連合同エイズ計画(UNAIDS)は20日に発表した年次報告の中で、全世界のHIV感染者数を大幅に下方修正し、3320万人とした。推定方法の改定により、インド国内の感染者数が当初よりも700万人ほど少なくなったことに起因するという。前年11月の年次報告書では、感染者数は3950万人に上るとしていた。

 今年新たに感染した患者数は全世界で250万人。また今年だけで、200万人以上がエイズにより死亡している。

 世界保健機関(WHO)のHIV/AIDS対策チームを率いるKevin De Cock氏は、「効果的なエイズ対策のためには、信頼できる公的保健機関によるデータ収集が不可欠だ」としてUNAIDSの報告を歓迎するとともに、「健康保健分野で、あらゆる国々、戦略的情報収集に向けたあらゆる側面を対象に、投資の拡大と継続が求められる」として、今後のさらなる努力を呼びかけた。

 UNAIDSの年次報告によれば、エイズ感染者数の増加傾向に歯止めがかかったとみられるほか、感染者が人口に占める割合も減少しつつあるという。

 新たな感染者が最も多かったのはサハラ砂漠以南のアフリカで、その数は170万人にも上り、全体の約3分の2を占める。ただし同地域の感染者数そのものは、前年の2470万人から2250万人に減少している。同地域はエイズ感染による死亡者数も最も多く、全世界の4分の3以上を占めるためだ。

 アジア地域の感染者数は490万人で、新たな感染者は44万人。特にインドネシアでの感染拡大が著しいが、ベトナムでも2000年から2005年にかけて感染者数が倍増している。

 カリブ海地域は世界で2番目に被害が深刻な地域で、成人の100人に1人(合計23万人)がウイルスに感染。2007年には1万1000人が死亡し、1万7000人が新たに感染している。(c)AFP