【10月30日 AFP】中国では偽ワクチンの影響でブタの感染症が拡大し、これまでに17万5000頭が処分され、豚肉の価格が高騰している。

 新華社(Xinhua)通信が28日報じたところによると、偽ワクチンの製造者は、販売先の湖北(Hubei)省で逮捕された。

 湖北省の養豚場は6月に青耳病(豚生殖器・呼吸器症候群)のワクチンを購入したが、偽物であることが判明した。

 偽ワクチンの影響で湖北省では青耳病がまん延し、農業省報道官によるとおよそ100万ドル(約1億1500万円)の損害が発生した。

 新華社通信が9月に報じたところによると、青耳病は2007年初頭に感染が報告されて以降、8月下旬までに中国全土で25万7000頭が感染し6万8000頭が死亡している。偽ワクチン製造者は9月に逮捕されたが、事件に関与した人数については明らかにされていない。

 新華社通信が関係当局者の話として伝えたところによると、これまでに1億頭以上に予防接種が行われたものの、ブタが地域から地域へ移動するため、作業は難航している。

 青耳病は、中国政府の保健対策の重要課題となっており、中国では定番の食材である豚肉の価格高騰を引き起こしている。

 今回の偽ワクチンに限らず、中国では今、薬品などの偽物の違法製造が拡大している。(c)AFP