【9月5日 AFP】米国の子供は、脂肪分、糖分、塩分が高く、栄養価の低い食品のテレビコマーシャルにさらされているとするシカゴ大学(University of Chicago)の研究が4日、科学雑誌ピィディアトリクス(Pediatrics、「小児科学」の意)に発表された。

 この研究は、米国における子供や若者の肥満率が高いことに着眼して行われた。

 研究チームは、2歳から17歳を対象にしたテレビ番組の間に放映された、朝食用シリアル、スナック菓子、ポケット菓子や飲料などの食品の30秒CM、約10万本を長年にわたり調査した。子供たちの1日の平均テレビ視聴時間は3時間19分で、そのうち1時間あたり約10分がCMに相当する。

 その結果、2歳から11歳の子供たちが見る食品のCMの97.8%が、脂肪分、糖分、塩分の高い製品だった。また、12歳から17歳でも、わずかに少ないものの約90%が栄養価の低い食品だった。いずれの年齢層でも、広告の半分近くは糖分の高い製品だった。

 研究では、「食品のCMは、子供たちの食べ物の嗜好や選択、摂取や特定商品に対する購買意欲に大きな影響を与える」としている。

 一方、スタンフォード大学(Stanford University)の研究チームは前月、米国の3歳から5歳の子供は、マクドナルドのロゴがある食品を、「よりおいしいと感じる」とする研究を発表した。

 NPO団体「Trust for America's Health」の年次報告書「F as in Fat」によると、およそ2500万人の子供がすでに肥満あるいは肥満傾向にあり、「今日の子供たちは、両親の世代より短命で不健康な生活を送るであろう最初の世代となるだろう」と警告している。(c)AFP