【9月5日 AFP】(一部追加)ロンドン(London)市内にある医療関係の展示会で4日、心臓移植手術を受けた患者から摘出した心臓が展示された。この心臓は、ジェニファー・サットン(Jennifer Sutton)さん(23)が、人々の臓器移植に対する意識を高めるためとして、手術で摘出した自身の心臓を同展示会に寄付したもの。

 サットンさんは10代の後半から慢性の心臓病を患っていたが、2007年にケンブリッジ(Cambridge)にあるPapworth病院で心臓移植手術を受けた。そしてこのほど、手術の際摘出した心臓を、医学的・文化的に心臓の重要性をテーマとする展示会「Wellcome Collection」に提供したという。

 「私にあれほどの苦痛を与えた原因をこの目で見るなんて、ちょっとシュールな感じがして驚きだわ」と同展示会場を訪れたサットンさんは話す。「今は新しい心臓を大切にしようと思っている。古い心臓をどう思っていたかは忘れてしまったわ。私にはもう関係ないから。私がいまこうして生きていて、かつて自分の一部だったものを見ているって変な感じね」

 現在Wellcome Collectionで開催中の展示会は、心臓に対する人類の見解が時代と共にどのように移り変わってきたかを、現代および歴史的な医療器具などの展示により総括したもの。9月16日まで開催の予定。(c)AFP