【8月30日 AFP】国内で馬インフルエンザの感染が確認され、競馬の開催が中止されたオーストラリア・ニューサウスウェールズ(New South Wales)州とクイーンズランド(Queensland)州で、追い詰められた運営組合が「ラクダレース」などの奇策で生き残りを図ろうとしていると、オーストラリアン(Australian)紙が30日、報じた。

 両州では競馬がさかんで、数十億ドルの収益を上げており、中止の痛手は大きい。

 同紙によると、ニューサウスウェールズ州競馬組合は、無観客試合ならぬ「無観客レース」を提案。シドニーのランドウィック(Randwick)競馬場や、ワーウィック・ファーム(Warwick Farm)、ニューカッスル(Newcastle)の競馬場での開催を考えているという。

 馬の移動を禁じた当局の規制に従い、レースに参加するのは各競馬場付属の厩舎にいる馬のみ。観客の立ち入りも一切禁じられ、馬券は場外で取り扱うとしている。

 賞金4万豪ドル(約375万円)の「バリナ杯」の開催を控えた同州北部バリナ(Ballina)の競馬組合は、さらに大胆な方策を計画中だ。開催日の9月13日になっても馬の移動が許可されなかった場合、バリナ杯の代わりに「ヒトコブラクダ・レース」を開催するという。同市のSharon Cadwallader副市長は、レース用のラクダ25頭をすでに手配したと語った。

 オーストラリアには野生のラクダ数百万頭が生息しており、一部は飼いならされてトレッキングや旅行会社などに利用されている。(c)AFP