【8月5日 AFP】英国の農場で発生した家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫(Foot and Mouth disease)は、近くの研究所から外部に流出したウイルスが原因だった可能性のあることが4日、環境・食料・農村省の発表で明らかになった。

 環境・食料・農村省は、ロンドン(London)郊外サリー(Surrey)州の農場で3日に発見された口蹄疫のウイルス株について、通常は動物の体内で発見されない種類のものである上、農場から数キロ離れたパーブライト(Pirbright)研究所が保有する口蹄疫ウイルスの1つに類似していると発表した。この研究所には国立の家畜衛生研究所(Institute of Animal Health)と製薬会社の研究所が入っている。

 強い感染力を持つ口蹄疫ウイルスの拡大を回避するため、欧州諸国をはじめ各国が対策をとるなか、同研究所では安全対策の見直しが急きょ行われた。

 環境・食料・農村省によると、同研究所に保管されていた問題のウイルスは、7月にワクチン製造のために使われたものだったという。

 2001年の口蹄疫による畜産の壊滅を避けようと関係者は原因と感染経路の特定を急いでいるが、環境・食料・農村省は現在のところ、同研究所が発生源だったとの最終判断は避けている。(c)AFP/Robin Millard