【8月4日 AFP】英国のロンドン(London)近郊で3日、感染性の高い口蹄(こうてい)疫(foot and mouth disease)が牛に発生したことが確認され、感染拡大への懸念が広がっている。

 口蹄疫発生が確認されたのはロンドンの南西に位置するギルフォード(Guildford)郊外の農場で、同農場の牛はすべて処分されるほか、半径3キロ以内が保護区域に、同10キロ以内が監視区域に指定された。感染拡大を防ぐため、国内の牛や豚、羊など家畜の移動が禁止された。

 こうした事態を受け、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は4日、国家緊急治安特別会議「コブラ(COBRA)」のため休暇を切り上げてロンドンに戻った。

 同国では2001年にも口蹄疫が発生し、650-1000万頭の家畜が処分された。畜産業だけでなく、観光業など英国経済に大きな打撃を与え、軍の出動や総選挙の延期など社会に混乱をもたらした。

 口蹄疫は名前の示す通り、口内とひづめに水胞ができる家畜伝染病で、靴など被服を介して伝染するほか、乗り物や農作業具、まれに空気感染も報告されている。ひづめが2つに割れた偶蹄類の動物に対しては高い感染力を持つが、ヒトの発症例はほとんどない。(c)AFP/Robin Millard