統合失調症の研究用マウス作りに成功
このニュースをシェア
【7月31日 AFP】妄想、情緒不安定、偏執症などの症状を引き起こす精神病、統合失調症にかかったマウスを、遺伝子操作で人工的に作り出すことに成功したとの研究結果が30日、発表された。統合失調症の治療のための新薬を人体に投与する前にマウスで試験することが可能になる。
研究を発表したのは、米ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)と東京大学の科学者からなる研究チーム。遺伝子操作により、脳構造や行動が統合失調症患者に似たマウスを作り出すことに成功した。
これまで統合失調症の症状は薬物の投与で作り出すしかなかったが、遺伝子操作であらかじめよく似た症状を抱えたマウスを使えば病気の進行過程をより詳細に追うことが可能となる。
最近発見された「ディスク1(Disc1)」という遺伝子は、脳内神経細胞が適正な位置に落ち着くことを補助するタンパク質で、これが欠如している人間やマウスは、統合失調症にかかりやすい傾向にあることが明らかになっていた。
新たに作り出されたマウスは不完全なディスク1しか作り出せないようになっていて、それが脳の活動に影響を及ぼす。そのまま成長したマウスには統合失調症の脳構造が明らかに認められた。
ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)の澤明(Akira Sawa)助教授は「このマウスモデルは統合失調症の研究で解明されていなかった多くの部分を補ってくれるはず。マウスモデルを使うことで、ストレスやウイルスといった外的要因がどのように症状を悪化させるかについてさらに研究を進めることができる」と指摘した。(c)AFP
研究を発表したのは、米ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)と東京大学の科学者からなる研究チーム。遺伝子操作により、脳構造や行動が統合失調症患者に似たマウスを作り出すことに成功した。
これまで統合失調症の症状は薬物の投与で作り出すしかなかったが、遺伝子操作であらかじめよく似た症状を抱えたマウスを使えば病気の進行過程をより詳細に追うことが可能となる。
最近発見された「ディスク1(Disc1)」という遺伝子は、脳内神経細胞が適正な位置に落ち着くことを補助するタンパク質で、これが欠如している人間やマウスは、統合失調症にかかりやすい傾向にあることが明らかになっていた。
新たに作り出されたマウスは不完全なディスク1しか作り出せないようになっていて、それが脳の活動に影響を及ぼす。そのまま成長したマウスには統合失調症の脳構造が明らかに認められた。
ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)の澤明(Akira Sawa)助教授は「このマウスモデルは統合失調症の研究で解明されていなかった多くの部分を補ってくれるはず。マウスモデルを使うことで、ストレスやウイルスといった外的要因がどのように症状を悪化させるかについてさらに研究を進めることができる」と指摘した。(c)AFP