【7月18日 AFP】インドでは噛みタバコや、タバコ代わりに好まれている「ビンロウジ味」のコンドームが、エイズとの戦いの最新兵器となりそう。国内最大のコンドーム・メーカーが開発し、無償で提供を開始した。

 国営企業のヒンドゥスタン・ラテックス(Hindustan Latex Ltd.)は、これまでに、「ビンロウジ味」のコンドーム800万箱をインド西部地域の性産業従事者に提供したことを明らかにした。「コンドームは無償で配布している。性産業従事者も、顧客にコンドームをつけエイズ予防をするよう説得しやすくなる」とヒンドゥスタン・ラテックスの広報担当は話す。

 富豪のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が、世界の貧困と戦うため設立したビル・アンド・メリンダ基金(Bill and Melinda Gates Foundation)の支援を受けエイズ問題に取り組むインドの慈善団体は、性産業従事者は通常のバナナやイチゴ味より、噛みタバコ味のコンドームを好む傾向がある」という。 

 同社は今後、このコンドームの商品化も検討しているが、実現はまだ先になるという。

 「企業の努力にもかかわらず、インドでコンドームの需要が急激に拡大しているとは言い難い。人口が10億人を超えるこの国でコンドームを使用する人の割合は5%にとどまっている。何とか、この製品でコンドームに目を向けてもらえるようにしたい」という。

 インド政府の最近の発表によると、国内のエイズ・ウイルスおよびエイズ感染者は200万から310万人。感染者数は事前の予想を大きく下回ったものの、警戒を緩めず対策を取っていくという。(c)AFP