【7月10日 AFP】脳腫瘍の先進的治療法の商業化がスイス政府により認可された。9日、製薬企業の米Northwest Biotherapeuticsが発表した。

 がんワクチン「DCVax-Brain」による治療は、9月末にはスイスの特定の病院、診療センターで開始される予定。この種の治療法が商業化の認可を受けるのは初めてのことだという。

 「脳腫瘍患者のためのレディメードの治療ワクチンを市場に投入できる最初の企業となった」と同社のAlton Boynton社長兼最高経営責任者(CEO)。

 「DCVax-Brain」は、患者自身の免疫システムを利用してガン細胞を攻撃する治療法。

 まだ成熟していない患者自身の免疫細胞を血液から採取し、シャーレで成熟させ患者の脳内腫瘍の生体指標に触れさせることで、免疫細胞は標的とすべきがん細胞を確実に認識できるようになるという。この細胞が成熟後患者の体内に注入される。

 スイス医薬品規制当局Swissmedicは、医療データにもとづきNorthwest Biotherapeuticsによるこの治療法の商業化を認可する決定を下した。

 脳腫瘍にかかると通常、患者は短期間で死に至る。脳腫瘍と診断されてからの平均の寿命は1年3か月たらずだが、データによるとこの治療を施すことにより、生存期間は2倍に増えるという。(c)AFP