【6月30日 AFP】7月1日から屋内での喫煙を禁じる法律が施行されるイングランドで、水タバコを提供する店が適用免除を求める11回目の嘆願を行う。

 水タバコはシーシャなどと呼ばれ、果物やはちみつ風味のタバコが若者たちの間でも大流行となっている。水タバコが禁止されればレストランなどは呼び物がなくなり、その経済的打撃を指摘する人もいる。

 シーシャを扱う業者の多くが所属するロンドンのエッジウエアロード(Edgware Road)にある商工会では「シーシャを救え」キャンペーンを開始し、これまで500人の参加者が集まっている。首相のウェブサイトには28日までに9439人の署名が寄せられ、ロンドン市内では2万人近くの人が署名した。

 エッジウエアロード商工会の代表でキャンペーンを主催したIbrahim el-Nourさんは「シーシャはわれわれの文化だ。それを禁じることはコミュニティーを破壊することになる」と言う。

 英国連邦ではすでに、スコットランドでは2006年3月26日、ウエールズは2007年4月2日、次いで4月30日には北アイルランドで公共の場での喫煙を禁じる法律が施行されており、イングランドは最後だった。

 2005年の世界保健機関(World Health Organisation)の研究によると「水タバコによる喫煙は喫煙者本人とそれによる煙で他人にも深刻な健康上の被害をもたらす」との結果が出ている。水パイプでは通常のタバコよりニコチン、一酸化炭素など有害物質を多く摂取することになるという。

 一方シーシャ支持者は、ニコチンは水に吸収されて実質的にほとんど存在しないので中毒性はないと主張する。また、イラン系英国人の女性は「シーシャは、タバコを吸うだけでなく、会話やトランプをしたり、音楽を聞いたり母国の雰囲気を味わう社交的な集まりを意味する。イスラム教徒でない人も大勢参加して、多文化的だ」と強調する。(c)AFP/Elodie Mazein

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