【9月13日 AFP】英語で書かれた文学作品に与えられる賞として世界的権威のある英文学賞ブッカー賞(Man Booker Prize)の選考で10日、ジンバブエのノバイオレット・ブラワヨ(NoViolet Bulawayo)氏が同賞史上初となるアフリカ出身の黒人女性として最終候補に残った。

 ブラワヨ氏のノミネートは、ジンバブエ人としても初。候補作「We Need New Names」(私たちは新しい名前を必要としている、の意)は、貧困から逃れるために故郷ジンバブエの貧しい街を後にし、おばがいる米国へと渡ったが、そこでも問題にぶつかる10歳の少女を描いている。

 AFPの取材に応じたブラワヨ氏は「素晴らしい気分でもあるし、少々気まずくもある。私よりも前に(ノミネートに)値する黒人女性はたくさんいる。特に自分にとっても最初の小説なので、私はとても幸運で名誉あることだと思う」と語った。

 またアフリカ人としてはこれまでに南アフリカのノーベル賞作家の2人、J・M・クッツェー(J.M. Coetzee)氏(1983年と99年)とナディン・ゴーディマ(Nadine Gordimer)氏(74年)と、ナイジェリア生まれのベン・オクリ(Ben Okri)氏の計3人がブッカー賞を受賞している。

 今年はブラワヨ氏の他に、アイルランドのコルム・トイビン(Colm Toibin)氏、英国のジム・クレイス(Jim Crace)氏らの作品が最終候補6作品(ショートリスト)に選ばれている。受賞者は10月15日に発表される。(c)AFP