【9月6日 AFP】スペイン北部バスク(Basque)自治州の小さな港町レケイティオ(Lekeitio)で5日、毎年恒例の伝統の祭り「ガンの日(Antzar Eguna)」が開催され、若者たちが次々と水上に張られたワイヤからつり下げられた1羽のガンに飛びついては、水に落ちるまでの長さを競った。

 300年以上も前から続いているというこの祭りでは、小舟で港からこぎ出した参加者たちが1人ずつ、海上にワイヤでつるされた丸ごと1羽のガンの死骸に飛びつき、ガンの首がもげるまでしがみつくというもの。最も長くしがみついていられた人が優勝となるが、ワイヤは岸にいる人々によって激しく上下に揺すられるため、ほとんどはすぐに海に落ちてしまうという。

 岸辺では多くの観客が、ガンにしがみついた参加者たちが耐えかねて手を離したり、ガンの首もろとも海に投げ出される様子を見守った。

 とれたガンの首を泳いで岸辺まで持ち帰ることができた参加者には全員、そのガン1羽が戦利品として与えられる。「ガンの日」は、スペイン各地に残る風変わりな伝統の祭りの1つとして知られ、かつては生きたガンを用いていたという。(c)AFP