【8月27日 AFP】今年5月に中国・香港(Hong Kong)のビクトリア・ハーバー(Victoria Harbour)に出現し、話題をさらった巨大なアヒルが、今度は「丸焼き」となって上海(Shanghai)に登場した。

 香港で熱狂的歓迎を受けたのはオランダの芸術家、フロレンティン・ホフマン(Florentijn Hofman)氏が制作した高さ16.5メートルのゴム製のアヒルだったが、上海版は中華皿を模した船の上で、ドラムスティックまでこんがりと茶色に焼けた状態で、同市の河岸のウオーターフロント・外灘(Bund)を流れる黄浦江(Huangpu River)を行き来している。

 上海版に携わったデザイナーのハン・ベイシ(Han Beishi)氏は、AFPの取材に対し「上海で猛暑が続く中、『よし、(このアヒルを)焼こう』と思い付いた。『春江 水暖かにして鴨先ず知る』(春に川の水が暖かくなるのを真っ先に知るのはカモだ)という古い漢詩からも発想を得た」と語った。

 27日の国営メディアによれば、上海版のアヒルはフェリーとして運航しており、船上では詩の朗読会などの文化イベントが開催される予定だという。

 黄浦江は今年3月、上流の農家が投棄した1万匹を超える大量のブタの死骸が流れ着くという事件でメディアを騒がせた。ハン氏は最初、アヒルではなくブタをモチーフにした案を考え付いたが、市の上層部が難色を示したという。(c)AFP