【1月21日 AFP】ローマ(Rome)の古代遺跡コロッセオ(Colosseum)の回廊で、英雄たちの姿やエロティックなシーンを鮮やかな色彩で描いたフレスコ画の断片が発見されたと、イタリアの考古学者たちが発表した。そばには17世紀の落書きも発見されたという。

「青、赤、緑の色で装飾された痕跡を発見した」と、2000年前に建造された円形競技場コロッセオの責任者、ロッセラ・リー(Rossella Rea)氏はAFPに語った。

 現地紙レプブリカ(La Repubblica)は、発見された断片は「古代ローマの剣闘士(グラディエーター)たちの栄光を、月桂樹や弓矢、勝利の花冠、そしてエロティックなシーンで描いているとみられる」と伝えている。

 フレスコ画は、修復作業が行われていたコロッセオの2階と3階部分の間で発見された。発見されたエリアは近年破損し、現在は一般に開放されていない。

「17世紀までさかのぼる落書きも発見した」とリー氏は述べた。コロッセオの剣闘士たちの戦いや模擬海戦を見に来た「観客や外国人訪問者らのサインもあった」という。

「この回廊内で他の発見もあると期待しているが、修復作業を継続するための基金次第だ」とリー氏は付け加えた。

 この回廊は長さ60メートルで、2014年夏の一般公開を目指している。

 西暦80年にローマ帝国が完成したコロッセオは現在、世界有数の観光地。大ヒット映画『グラディエーター(Gladiator)』などの影響で、観光客は過去10年間で年100万人から600万人に増えた。

 だが、大気汚染により黒ずんだ岩の破片が崩落したり、基礎部分が沈下して全体が傾き始めるなど、懸念すべき状況にある。(c)AFP