【1月12日 AFP】(一部更新)英キャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge、31)の初の公式肖像画が11日、ロンドン(London)の国立肖像画美術館(National Portrait Gallery)で公開された。キャサリン妃本人はその出来栄えを「素晴らしい」と称賛したが、一部の批評家からは批判が噴出している。

 今夏に第1子を出産予定の同妃を描いたのは、南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領や英作家V・S・ナイポール(V. S. Naipaul)氏の肖像画も手掛け、授賞経験もある画家のポール・エムズリー(Paul Emsley)氏。キャサリン妃が昨年後援者となった美術館からの委託を受けて制作した。

 キャサリン妃は同日、一般への公開前に同美術館を訪れ、完成した肖像画を鑑賞。「素晴らしい。見事です」と感想を述べた。同伴した夫のウィリアム王子(Prince William)も「本当に美しい」と評価した。

 しかし、一部の批評家からは、柔らかな色合いで描かれたこの作品を酷評する声も上がっている。

 ブリティッシュ・アート・ジャーナル(British Art Journal)の編集者、ロビン・サイモン(Robin Simon)氏は英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)に対し、「幸いなことに、実物のキャサリン妃はこの絵とは似ても似つかない。本当に残念だが、ひどい肖像画だ」と語った。

 また、夕刊紙ロンドン・イブニング・スタンダード(London Evening Standard)のベン・ルーク(Ben Luke)氏は、「優しく、ぼかし処理をしたような肖像画。まるでエアブラシで丁寧に仕上げられた写真、あるいはワセリンを塗ったレンズで撮影したハリウッドスターの写真のようだ」と批評している。

 作者のエムズリー氏はこの肖像画について、「キャサリン妃は、公式の場で見せる姿ではなく、ありのままの自然な姿を描いてほしいと希望された」と説明。さらに同妃について、「非常にオープンで寛大、とても温かなお人柄だと感じた」と述べている。(c)AFP