ノートルダム大聖堂の新しい大鐘、オランダを出発
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【12月22日 AFP】来年の着工850周年を記念して新調されることになった仏パリ(Paris)のノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の鐘のうち、「マリー(Marie)」と名付けられた最大の鐘が20日、オランダの鋳造所からフランスに向け出発した。
オランダの釣鐘鋳造メーカー、ロイヤル・アイスバウツ(Royal Eijsbouts)のヨースト・アイスバウツ(Joost Eijsbouts)社長によると、マリーは午後2時ごろに鋳造所を発ち、最終調整が行われる仏ノルマンディー(Normandy)に明朝11時ごろ到着する予定。
大聖堂の鐘の中で最低音を出すテナーベルの「マリー」は南塔に取り付けられる。この大釣鐘はオランダ南東部アステン(Asten)で鋳造されたが、北塔に来年取り付けられる予定の8個の新しい鐘はノルマンディーにあるビルデュー(Villedieu)鋳造所でつくられている。
北塔では、もとある鐘のうち4個が1789年のフランス革命の際に外されたままで、残る4個は今年2月に外されている。1856年に取り付けられたこれらの鐘は、使われた金属の質が悪かったため劣化し、大聖堂がもう1つ持つテナーベル「エマニュエル(Emmanuel)」と音程が合わなくなっていた。
アイスバウツ氏によれば、マリーはスズと銅の合金で重量は約6トン、直径・高さともに2メートルを超え、欧州の大釣鐘の中でも最高傑作の一つとされる「エマニュエル」とまったく同じ音が鳴るように設計されている。
マリーは2月2日にノルマンディーからパリへ向かい、その翌週に南塔に設置された後、3月末の記念式典で披露される。総額200万ユーロ(約2億2000万円)とされる鐘の交換費用は、すべて寄付によってまかなわれている。(c)AFP