【12月6日 AFP】ルネッサンス期のイタリアの巨匠、ラファエロ(Raphael)の素描「Head of an Apostle」(使徒の頭部、1519~20年ごろ) が5日、英ロンドン(London)の競売大手サザビーズ(Sothebys)でオークションにかけられ、紙に描かれた作品としては過去最高額となる2970万ポンド(約39億円)で落札された。事前の予想では、落札価格は1000万~1500万ポンド(約13億~20億円)とみられていた。

 落札をかけて4者が争った結果、電話で参加した入札者が、「オールドマスター」と呼ばれる巨匠たちの作品としては史上2番目の高額で落札した。

 サザビーズでオールドマスターの作品の競売を担当するグレゴリー・ルビンスタイン(Gregory Rubinstein)氏は、「在職中にこうした作品の競売にかかわることができるのは幸運なことだ」、「世界の偉大なコレクターたちの多くが今夜、ラファエロの類いまれな才能、この作品の比類無き美しさと非常に優れた来歴を認めた」と話した。

 黒のチョークで描かれたこの素描は、ルネッサンス期の絵画の中でも最も重要な作品の1つであるラファエロの「キリストの変容」(Transfiguration)に含まれる人物の1人を題材としたもの。1520年に37歳で死去したラファエロの遺体がローマ(Rome)のアトリエに横たえられたとき、その枕元に掛けられていたのが「キリストの変容」だった。(c)AFP