【11月1日 AFP】バチカン当局は10月31日、システィーナ礼拝堂(Sistine Chapel)にあるミケランジェロ(Michelangelo)のフレスコ画が来場者の息や汗、体温などにより損傷を受けているため、入場制限を行う必要があるかもしれないと発表した。

 同礼拝堂には現在、毎日1万~3万人の観光客が訪れている。1990年代の修復の際に空調装置が設置されたが、その性能は来場者が礼拝堂に持ち込むちりやほこりの量に追いつかなくなっていると指摘されている。

 バチカン美術館(Vatican Museums)のアントニオ・パオルッチ(Antonio Paolucci)館長によると、当局は新たな空気清浄設備の設計を専門会社に依頼しているが、来年までに対応策が見出されなければ入場制限をせざるを得なくなるという見通しを示した。

 ミケランジェロのフレスコ画は今年で完成から500周年を迎える。枢機卿らによるローマ法王選挙の舞台でもあるシスティーナ礼拝堂は世界でも有数の観光地で、警備員らはカメラ片手に訪れる大量の観光客に手を焼いている。(c)AFP/Jean-Louis de la Vaissaire