【10月14日 AFP】ドイツ在住の反体制派中国人作家、廖亦武(Liao Yiwu)氏は13日、2012年のノーベル文学賞(Nobel Literature Prize)を受賞した中国人作家、莫言(Mo Yan)氏について、中国共産党政権に近い「国家のお抱え詩人」だと激しく非難した。

 14日にドイツ出版協会平和賞(Peace Prize of the German Book Trade)を受賞する廖氏は、前日の独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)に掲載されたインタビューで「(莫氏の受賞に)ショックを受けた」と語り、「莫言氏は必要ならば、いつでも自らの職人芸の世界に引きこもる国家のお抱え詩人だ」と批判した。

 また11日に莫言氏にノーベル文学賞が授与された後、ドイツの廖氏の元へは中国の友人たちから「西側諸国は自分たちのことを中国の体制の延長だと考えているのだろうか」と問い詰める声が寄せられたと語った。

 ノーベル賞受賞の莫言氏は中国政府から多大な称賛を浴びる一方で、同国の反体制派からは「共産主義の手先」だと批判されてきた。同氏はまた、中国の芸術は共産党に寄与する必要があると書いた同国共産党の創立者、毛沢東(Mao Zedong)を擁護している。(c)AFP