【9月13日 AFP】英レスター大学(University of Leicester)の考古学チームは12日、イングランド中部レスター(Leicester)市内の駐車場から、中世のイングランド王、リチャード3世(Richard III)の可能性がある人骨を発見したと発表した。歴史資料に書かれているリチャード3世の特徴と一致するという。人骨は保存状態が良く、現在DNA分析が進められている。

 1483年に即位したリチャード3世は、1485年のボズワースの戦い(Battle of Bosworth)で死亡した。遺体はレスターにあるグレーフライアーズ(Grey Friars)教会のフランシスコ会修道院に埋葬された。1530年代に教会が取り壊された後、その場所は分からなくなっていたが、最近になってレスター大のチームが駐車場の下に埋まっている教会跡を発見した。

 3週間にわたって行われた発掘作業ではまず、レーダー機器を使って地中の様子を確認し、発掘エリアが絞られた。発掘の結果、教会の聖歌隊席だった場所から人骨が見つかった。

 人骨の背には矢尻が刺さっており、頭骨に残された複数の殴打痕もボズワースの戦いで受けたとされる傷と一致した。リチャード3世は、ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)の悲劇の中で描かれた「背中が湾曲した悪人」としてのイメージで最もよく知られているが、発見された人骨も背骨が曲がっていたという。

 チームを率いたリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏は、この人骨がリチャード3世のものである可能性について、「とても有力な候補だが、DNAの分析が終わるまで数週間待つ必要がある」と語った。

 人骨のDNAは、リチャード3世の一番上の姉アン(ヨーク家のアン、Anne of York)の直系子孫であるロンドン(London)在住のマイケル・イブセン(Michael Ibsen)さん(55)のDNAと比較される。結果が出るまでには最長で12週間かかるという。(c)AFP