【8月28日 AFP】英ロンドン(London)を代表する建築物の1つである国会議事堂が、改装工事のため5年間閉鎖されるかもしれないと、英日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じた。

 現在の議事堂は、1870年に完成した垂直式ゴシック建築のウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)を利用している。テムズ川(River Thames)沿いに立つ同宮殿は、1940年代を最後に改装は行われていない。

 改装工事では配管や電気系統の改修、アスベスト除去が行われる見通し。このほか、現在の議事堂を廃止して新たな議事堂を建設する案も出ている。

 サンデー・タイムズは、下院関係者の話として、現在の議事堂を長期にわたって維持するための選択肢について初期調査を実施中だと伝えた。初期調査の結果は年内にも上下両院の委員会で審議されるという。

 サンデー・タイムズは、ナチス(Nazi)ドイツの空爆が激化した第2次世界大戦(World War II)以降では初めて英議会が現議事堂を離れる可能性もあると伝えている。

 現在取り沙汰されている案には、ウェストミンスター宮殿を売却して新議事堂を建設する、宮殿の地下に臨時の会議場を作った上で改装工事を進める、議会の閉会時に分散して改装工事を行うなどがある。改装案の実行は議会および財務省の承認を要するという。(c)AFP