指揮者バレンボイム氏ら、給料10%カットで財政難の伊スカラ座に貢献
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【6月24日 AFP】経済危機に苦しむイタリア・ミラノ(Milan)にあるオペラ劇場「スカラ座(La Scala)」の音楽監督で世界的に著名な指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)氏や総支配人らが、財政難の劇場救済のため自ら給料10%カットに応じた。伊メディアが今週報じた。
ユーロ危機のただ中で国家財政の建て直しが急務のイタリアでは文化予算が削られており、スカラ座への助成金も国・地方レベルとも大幅に削減されてしまった。こうした中、スカラ座総裁のジュリアーノ・ピサピア(Giuliano Pisapia)ミラノ市長が、劇場関係者の給料カットを推し進めていると伝えられていた。
スカラ座合唱団やスカラ座バレエ団などの芸術監督ら11人も給料10%カットに応じたという。
ステファン・リスネ(Stephane Lissner)スカラ座総支配人は、「これで経済情勢が解決するわけではないが、われわれが劇場を支えるあらゆる手段を模索しているという明確なメッセージを送ることはできる」と説明している。
リスネ氏が2005年に総支配人に就任して以来、スカラ座では公演数を倍に増やしてきた。年間収益は1500万ユーロ(約15億円)から12年予想では3200万ユーロ(約32億円)に伸び、出資者の支援も後押しして、700万ユーロ(約7億円)あった負債は450万ユーロ(約4億5000万円)まで圧縮できる見込みだ。
しかし、芸術は「不況の中で人々を助ける力を持つ」と訴えて文化予算を削減しないよう政府に求めているリスネ氏は、「今後も助成金はどんどん削減される。公演の質・数ともに劇場の危機は続く」と指摘した。(c)AFP
ユーロ危機のただ中で国家財政の建て直しが急務のイタリアでは文化予算が削られており、スカラ座への助成金も国・地方レベルとも大幅に削減されてしまった。こうした中、スカラ座総裁のジュリアーノ・ピサピア(Giuliano Pisapia)ミラノ市長が、劇場関係者の給料カットを推し進めていると伝えられていた。
スカラ座合唱団やスカラ座バレエ団などの芸術監督ら11人も給料10%カットに応じたという。
ステファン・リスネ(Stephane Lissner)スカラ座総支配人は、「これで経済情勢が解決するわけではないが、われわれが劇場を支えるあらゆる手段を模索しているという明確なメッセージを送ることはできる」と説明している。
リスネ氏が2005年に総支配人に就任して以来、スカラ座では公演数を倍に増やしてきた。年間収益は1500万ユーロ(約15億円)から12年予想では3200万ユーロ(約32億円)に伸び、出資者の支援も後押しして、700万ユーロ(約7億円)あった負債は450万ユーロ(約4億5000万円)まで圧縮できる見込みだ。
しかし、芸術は「不況の中で人々を助ける力を持つ」と訴えて文化予算を削減しないよう政府に求めているリスネ氏は、「今後も助成金はどんどん削減される。公演の質・数ともに劇場の危機は続く」と指摘した。(c)AFP