【4月29日 AFP】米国政府は26日、密輸組織の取り締まりで押収されたルネサンス期の貴重な絵画や、何冊かの年代ものの賛美歌集から破り取られたページなど計7点をイタリアに返還した。

 2000年前の陶磁器2点や小型の古代ローマ彫刻1点などを含む7点の芸術品は、ジャネット・ナポリターノ(Janet Napolitano)米国土安全保障長官により、首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)のイタリア大使館で正式に返還された。

「これらの美しい品々はあなた方イタリア国民の所有物です」と述べたナポリターノ長官に対し、クラウディオ・ビゾニエロ(Claudio Bisogniero)駐米イタリア大使は返還について「重要な出来事で、両国間の協力の成果だ」と称賛した。

 米国は2007年から、23か国で盗掘や盗難、密輸されていた芸術品の取り締まりを行い、これまでに計2000点以上を回収している。

 米入国・税関管理局(US Immigration and Customs EnforcementICE)のジョン・モートン(John Morton)局長は、「今回の返還の意味は大きい。これまでの返還のなかでも特に重要なものだ」と述べた。

 返還された盗品は、イタリアの警察軍カラビニエリ(Carabinieri)がインターネットやオークションの出品リストから収集した情報を基に、米警察が行った4件の捜査で押収されたもの。

 ICEによれば、陶磁器2点と小型の古代ローマ大理石像1点が押収された取り締まり2件では、イタリアのマフィアとの関連が疑われるジャンフランコ・ベッキーナ(Gianfranco Becchina)という人物が関わっていた。カラビニエリの文化遺産担当者によると、ベッキーナ容疑者の起訴手続きが進められているという。(c)AFP