【1月10日 MODE PRESS】人類学や民俗学などに興味を持ち、移動や旅などをテーマに写真作品を発表し続ける気鋭の写真家で冒険家 石川直樹(Naoki Ishikawa)の展覧会「石川直樹展 Halluci Mountain -幻の山-」が22日まで表参道・ジャイル(GYRE)で開催されている。

 エベレストの写真と映像を中心に、世界各地で撮影した「山」にまつわる作品によって構成されている同展は、2001年に当時23歳の若さで七大陸最高峰登頂を達成、昨年には二度目のエベレスト登頂に成功した石川による渾身の作品約40点あまりが一堂に並ぶ。

 「山は不変の存在ではなく、自分との関係によって常に変化していく存在です。身体も頭の中も、山に登っているうちに変化していく。これまで幾度となく山に登っていますが、その度に驚きや感動を肌で感じシャッターを切ってきた。この写真展を通して、新しい世界に出会えることの素晴らしさや楽しさを伝えられたら」と石川。

 今回の写真展のサブタイトルにもなった「Halluci Mountain」は、人との関わりによって姿を変える無数の山のことを石川が名付けた。見慣れた山の景色ではなく、未知の風景と山のフォルムとそこに漂う空気が訪れた人の心を大きく揺さぶる。

 今回の写真展を企画、空間演出を手がけたスペース・コンポーザーの谷川じゅんじ(Junji Tanigawa)氏は「とてつもなく屈強な人で、冒険家。それだけでも十分だが、彼はそれに加えて写真家でもあり文筆家でもある素晴らしい才能の持ち主。自分の目標を達成するポテンシャルと思い描いたものを表現する力まで持っている。それでいて、控えめな姿勢と佇まいには底知れず奥ゆかしさや魅力さえを感じる。そんな“石川直樹”の実態はなんだろうと掘り下げてみたくなったのが今回の展覧会を企画するきっかけ。一枚一枚の写真が訴えかけるものが、すごいパワーを持っているので、年末年始表参道の街が一年で最も清廉な季節に、世の中の人々が心新たに2012年を始めるには彼が見てきたある種神がかった山の写真で展覧会を開催するのが最も適していると思った」と語る。

 また本展では、石川が過去に登頂した14の山をEYE OF GYREに続く外階段で登頂することができる体験型としても話題を集めている。詳しくは会期中にギャラリーでチェックしてほしい。【岩田奈那】

【展覧会情報】
石川直樹展 Halluci Mountain -幻の山-
会期:2011年12月23日(金)~2012年1月22日(日)11時~20時
会場:EYE OF GYRE/GYRE 3F 東京都神宮前5-10-1 
Tel:03-3498-6990
主催:GYRE  空間構成:JTQ 谷川じゅんじ
協力:HiRAO INC, SCAI THE BATHHOUSE
(c)MODE PRESS

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