【12月16日 AFP】小説『ジェーン・エア(Jane Eyre)』で知られる19世紀英国の女性作家、シャーロット・ブロンテ(Charlotte Bronte)が14歳の時に制作した未発表の豆本が14日、競売大手サザビーズ(Sotheby)のロンドン(London)の競売で、69万850ポンド(約8350万円)で落札された。

 オークションに登場したのは『ヤング・メンズ・マガジン第2号(Young Men's Magazine, Number 2)』と題された縦6.5センチ、横3.5センチ大の手書きの豆本で全19ページ。1830年8月の日付が入っている。仏パリ(Paris)にある「書簡と直筆博物館」が、オリジナルのフォルダとケースと共に落札した。早くも来年1月から展示される。

 豆本は、売却基準価格の2倍を超え、シャーロットとエミリー(Emily Bronte)、アン(Anne Bronte)のブロンテ3姉妹の文学作品のなかで史上最高値がついた。

 豆本の作品の中には、シャーロットが子ども時代に姉妹や弟たちと創作した「グラスタウン(Glass Town)」という架空の世界の人物が登場する。また17年後にブロンテが執筆することになる『ジェーン・エア』で、住み込み家庭教師のヒロインが思いを寄せる当主ロチェスターの精神を病んだ妻が、寝室のカーテンに放火するシーンとよく似た1節も現れる。

 サザビーの競売担当者は「この小さな手書きの本はシャーロット・ブロンテの創造性の最初の発露であり、文学史上偉大な作家の1人であるシャーロットの作品について、貴重で深い洞察を与えてくれるものだ」と評している。(c)AFP