【10月30日 Relaxnews】中国・香港特別行政区は、英国植民地時代末期の邸宅のひとつを同区の文化財に指定する方針を発表した。しかし、この邸宅を相続し、現在の所有者である女性が反対しているという。

 香港の有力者だったロバート・ホー・トン卿(Sir Robert Ho Tung)が1927年に自らの名を冠して建てた邸宅、「何東花園(ホートン・ガーデンズ、Ho Tung Gardens)」で、高級住宅地ビクトリア・ピーク(Victoria Peak)の約1ヘクタール強の敷地にある。

 英植民地下でビクトリア・ピークへ住むことを欧州人以外で初めて許可された人物、ホートン卿ゆかりの邸宅として今に残る唯一のものだ。香港特別行政区は今週発表した声明で、「加えて、何東花園は香港の英国風ルネサンス様式の建築物として現存する初期の例、しかもおそらく最古の例。保存に値する希少な歴史的建造物だ」と説明している。特別行政区の古物諮詢委員会は「遺産価値の重要性」から全会一致で、文化財宣言を行う方針に賛成したという。
 
 しかし、ホー・トン卿の孫にあたる現所有者の女性は敷地を再開発したがっており、特別行政区が申し入れた土地の交換を拒んだという。女性は今後、損害賠償訴訟を起こす可能性もある。(c)Relaxnews/AFPBB News