ゴッホは「自殺ではなく他殺」、ピュリツァー賞作家
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【10月18日 AFP】米国の2人のピュリツァー賞(Pulitzer Prize)作家がこのほど、1890年に死去したオランダの巨匠ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の死因について、自殺ではなく他殺であったと主張する本を出版した。
執筆したのは米アーチストのジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)の伝記で1991年に同賞を受賞したスティーブン・ネイファー(Steven Naifeh)氏とグレゴリー・ホワイト・スミス(Gregory White Smith)氏。共同執筆したゴッホの伝記の中で、ゴッホがフランスのオーヴェル・シュル・オワーズ(Auvers-sur-Oise)の農場で兄弟2人に殺害されたことを示すものだとする法医学的証拠を詳述した。
ネイファー氏は16日、米CBSテレビの「60ミニッツ(60 Minutes)」に出演し、ゴッホはこの2人に故意、あるいは偶然に殺害された可能性を指摘。「その瞬間に何が起こったかを正確に知ることは難しい」と付け加えた。
これについて、オランダのゴッホ美術館(Van Gogh Museum)は17日、他殺説は「興味深い」が「長らく信じられてきた自殺説を捨て去るのは時期尚早」だとする声明を発表した。
キュレーターのレオ・ヤンセン(Leo Jansen)氏は、「ゴッホの自殺についてはいまだに解明されていない謎がある」とした一方で、この鮮烈な新説についても、「いくつかの疑問点が残る」と述べた。(c)AFP
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