【10月14日 AFP】第1次世界大戦(1914-1918)末期に1人のドイツ軍兵士によって盗まれ、数十年にわたり行方が分からなくなっていた19世紀フランスの画家ジュール・ブルトン(Jules Breton)の絵画が13日、発見された米国からフランスに正式に返還された。

 この絵は「Une Fille de Pecheur」(漁師の娘)という題の油彩画で、19世紀末に仏北部の街ドゥエ(Douai)市からブレトンが依頼されて制作し、地元の美術館に展示されていたが、第1次世界大戦の最後の数週間にほかの美術品とともに略奪された。

 その後、戦後の混乱の中で行方が分からなくなっていたが、2000年にインターネットの美術品取引サイトに再び姿を現した。しかし、鑑定と所有権をめぐり、国際刑事警察機構(インターポール、Interpol)に弁護士、美術専門家なども巻き込んだ論争となり、欧州と北米の間で落ち着き先が定まらずにいた。最近ではニューヨークの美術画廊の下にあった。

 13日、ワシントンD.C.では返還式典が行われ、フランソワ・デラットル(Francois Delattre)駐米フランス大使がブレトンの絵画を受け取った。翌週、故郷のドゥエで再び展示される。(c)AFP