【9月14日 AFP】『チャーリーとチョコレート工場(Charlie and the Chocolate Factory)』などで知られる英児童作家ロアルド・ダール(Roald Dahl)の孫娘が13日、ダールが生前執筆を行っていた小屋の保存に50万ポンド(約6000万円)の寄付金を募ったことが、思わぬ怒りを買っている。

 モデルや作家として活躍するソフィー・ダール(Sophie Dahl)は、ダールの誕生を記念する「ロアルド・ダール・デー」にBBCラジオ番組に出演し、バッキンガムシャー(Buckinghamshire)州の庭の中で朽ち果てていく約1.5メートル四方の小屋を近くのロアルド・ダール博物館(Roald Dahl Museum)に移転させる計画を発表し、こう語った。

「かわいそうな小さな小屋は、助けを必要としています。ついては50万ポンドの寄付を募りたい。かなりの大金ですが、移転は大変な作業なのです」

 この直後、BBCには発言を批判するEメールが押し寄せ、ツイッター(Twitter)にも怒りの書き込みが相次いだ。「百万長者の孫娘がお金をせびるなんて」「ロアルド・ダール・デーはソフィー・ダールのおかげで台無しだ。彼の本がまだ世界中で売れているというのに、小屋の修理に国民の金をつぎ込もうなんてな」など、半ばあきれたコメントもあった。

 ちなみに、ソフィーの夫はジャズミュージシャンのジェイミー・カラム(Jamie Cullum)。カラムの資産額だけで500万ポンド(約6億円)と言われている。

 ロアルド・ダール博物館長は、「ソフィーさん一家は(印税などの)収益の10%を慈善団体に寄付なさっています」と述べ、「非常に寛大な」一家を擁護した。(c)AFP