【8月29日 AFP】およそ9000年前に人類がウマを家畜化していたことを示す痕跡が、サウジアラビアで発見された。

 定説を4000年さかのぼる新発見は24日夜、サウジアラビアの博物館・古文化局のアリ・ガッバン(Ali al-Ghabban)副局長が会見で発表した。「これまでの研究では、人類がウマを家畜化したのは5000年前の中央アジアだとされてきたが、今回の発見は、9000年以上前にアラビア半島(Arabian Peninsula)で最初に家畜化されていたことを示している」

 家畜化の証拠が見つかったのは、同国南西部アシール(Asir)州の州都アブハ(Abha)近くの遺跡。この地方は、古文化学では「幸福のアラビア(Arabia Felix)」として知られる古代文明が栄えていた。ガッバン副局長によると、この文明では「これまで知られている手法とは全く異なる死体防腐処理方法」が用いられていたという。

 かつてアラビア半島が湿潤で肥よくだった頃に河床だった谷間で発見された遺跡からは、ヤギやイヌ、タカなどの像に加え、高さ1メートルのウマの半身像があった。「これほどの寸法の動物像は、この時代としては世界のどこでも発見されていない」とガッバン副局長。矢じりや石器、織物道具、穀類をすり潰すためのすり鉢なども見つかっており、文明の発達ぶりが示唆されている。(c)AFP